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2020/05/10

(書道部)墨の色について

| by 部活動顧問
書道部
 ~墨の色について~
 
墨の色は何色かと問われれば、一般的には黒という答えが返ってきます。書道について「白と黒の世界」などと表現されることからもわかるように、やはり墨といえば黒が基本です。しかし、一言に墨と言っても固形墨(すって使う墨)もあれば液体墨もあります。さらには黒は黒でも茶系の黒の茶墨(ちゃぼく)、青系の黒の青墨(せいぼく)といったように墨色による区別もあり、それぞれ味わいに微妙な違いがあります。
また、墨の濃さによって濃墨(のうぼく)、淡墨(たんぼく)の区別もあり、作品の制作意図に応じて使い分けることで表現の幅を広げることができます。

 さて、我が家の庭に春を告げる花が咲きました。クロッカス、プリムラ、ムスカリ、ツルニチニチソウ、水仙、オダマキ・・・、見渡すと紫の花が多いことに気がつきました。なかでもオダマキのひっそりと可憐に咲く様子には心引かれます。かつて実家の庭にこの花が咲いたとき、「オダマキ咲いた。」とうれしそうに言っていた母のことばが思い出されます。そして今、私も同じ気持ちを味わっています。

 ということで、オダマキを紹介します。
 
 オダマキの葉
 
 
 咲いたばかりのオダマキの花 
 
 どうしても写真の向きが直りません。お手数をおかけしますが、左を上にして見てください。
 
 そして、オダマキをイメージして、「紫の花」と書いてみました。

 
  「紫の花」 濃墨で書きました
     
        
       「紫の花」 淡墨で書きました

 「紫の花」、いかがでしょうか。濃墨、淡墨と書き分けてみましたが、味わいに違いは感じられましたか。濃墨で書くと線に「かすれ」を、また、淡墨で書くと「にじみ」を表現しやすいです。いずれも書表現を豊かにする重要な要素です。
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